令和7年2/25配布の西宮市政ニュースを確認すると、
またムダな「ハコモノ」ができるようです。
ひきこもり支援推進として、「ひきこもり地域支援センター」が新しく設置される。
こんな幹部級職員の天下り先のハコモノを作るのではなく、サービスを充実させることがはるかに大事ではないでしょうか。
すでに兵庫県内に「ひきこもり総合支援センター」があります。兵庫県精神保健福祉センター内に設けられ、電話・来所相談、居場所作りなど行っているようです。
西宮市から神戸市までは交通のアクセスもよいですから、こちらに任せてもよい。
現時点、西宮市は「こころのケア相談」として電話・面接相談も実施しています。他にも「ひきこもり青年の家族交流会」(毎月第二木曜開催)、
兵庫県が実施している「ひきこもり相談支援センター」の地域ブランチとして、阪神ブランチが存在しているのです。
※阪神ブランチは、一般社団法人「いきがいさがし」に業務委託しているようです。
もうすでにハコモノも存在し、市内の窓口も開店している状態なんです。
もし新しくひきこもり地域支援センターが必要ならば、現在提供しているサービスに欠陥があるということになってしまう。
西宮市議会の令和6年12月の定例会を確認すると、以下のような発言が出てきました。
松山勝則市議(公明党)による8050問題、中高年ひきこもりに対する行政の取組に対する質問。回答者は町田竹之健康福祉局長です。
本市では、ひきこもりや8050問題など、複合化、複雑化した相談者に対応するため、令和5年度から重層的支援体制事業への移行準備事業を実施し、様々な福祉課題に対応できるように、相談者の属性や世代、相談内容に関わらず、包括的に相談を受け止め、支援する体制づくりに取り組んでおります。
「重層的支援体制事業」とは、また舌をかみそうな名前です。
要するに、何がしたいのか。町田局長の他の発言を解釈すると、
各支援機関をつなげるコーディネーターを用意した。包括化推進員とも。実際に令和5年、住民からの通報で、90歳代の高齢の親とひきこもりの60歳代の世帯をうまく支援したことがあるんだ。こういう包括的な仕組みを作りたいんだ。
アウトリーチをしたい。社会福祉協議会の担当職員の再配置をする。支援機関の役割分担をする。
まあこんなことを発言しています。特に「つながり」というワードを連呼しているので、8050問題の根底には「社会とのつながり不足」があるという認識でしょうか。
町田竹之局長の認識はともかく、「各支援機関」がすでに存在しているのは確かでしょう。
なぜすぐにハコモノ行政となだれ込むのか。まったく納得がいかない。
※ちなみに、重層的支援体制事業もうわべだけ。西宮市にそんな能力はありません。やってることに自信がないもんだから、長ったらしい言葉を使う。
闇バイトさせる前に、仕事を外注してやればいい
お困りの方を早期に発見する。社会とのつながり作りをする。
町田竹之局長のみならず、私も同様の認識です。
ですが、ハコモノ行政には断固反対します。ハコモノではなく、サービス充実にこそカネをかけるべき。
中高年ひきこもり者は、そもそも現代日本の労働環境から退場を迫られています。
たとえば、フリーター。10代や20代の学生アルバイターに交じって働く。職場になじめるわけないでしょう。松山勝則市議であれ、町田竹之局長であれ、「あなたはできますか?」って話です。
できはしないでしょうに。
親御さんが亡くなる。親御さんの年金で生活していた彼ら中高年ひきこもり者が行きつく先は、闇バイトではないのか。
社会に絶望し、街中で刃物を振るう暴挙に出るんじゃないのか。
本当に必要な支援をしたいのであれば、中高年ひきこもりの方に仕事を提供すればいいんです。彼ら当事者を雇い、当事者同士でインタビューし、動画撮影・編集し、Youtubeに配信する。
彼ら当事者に発信者となってもらい、自分たちの悩みを社会に聞いてもらえばいい。まさに「社会とのつながり」、でしょう。
中高年ひきこもり者に住宅支援を行う。アパートなどを西宮市が借り上げ、そこに住んでもらえればいい。
そういった過程を経る中で、中高年ひきこもり者は仕事を得て、社会とのつながりができるわけです。支援どころじゃない。解決しているではありませんか。
ハコモノ作って「やってるフリをしてた方が楽」
当事者同士で取り組むのも必要。ヤンキー理論です。
ヤンキーは、元ヤンの言葉しか届かない。経験者やないと、俺らのことなんか理解できるわけないやろと思っている。
中高年ひきこもり者のみならず、どこの世界でもある程度普遍的です。行政の公務員ガー、支援者ガー、とガーガー鳴いていても仕方がない。
ハロワにつなぐとか、そんなことしても絶対に問題は解決しない。今の日本の労働環境に出るくらいなら、ひきこもって生きていた方がまし。
自分たちのような、職歴に空白期間があり、なんのキャリアも積んできていない。そのような人間が「安心」して働ける環境がない。
明治時代は、「あいつは働きもしないで。嫁さんでも嫁(とつ)がせてしゃんとさせよう」みたいな空気がありました。
江戸時代は、労働こそ善と言うプロテスタント的な考えもなく、金がなくなりゃその日暮らしの仕事をしていました。
ですが、もうそんな時代ではないでしょう。
ひきこもりが社会課題だと思っているなら、ある程度下駄を履かせてやる。日本の労働環境に戻ってきてもらうような制度を作る。
かんたんなこと。行政がハコモノに使う予算を割いて、彼ら中高年ひきこもり者に仕事を振ればいいんです。ネットのHPでも、SNSでも何でもいい。呼びかけりゃいいでしょう。
アウトリーチ?それでもいい。行政から声を掛けてもいい。問題の本質はここにあります。
中高年ひきこもり者に下駄を履かせられますか?嫌悪感ないですか?それでもやりますか?
積極的是正措置、アファーマティブアクションとして市民に説明できますか?腹が据わってますか?
どうなんですか?西宮市長はじめ、西宮市議会、市職員の連中はここが問われています。へっぴり腰なもんだから、
ハコモノ作って、「やってるフリ」をする。通り魔で殺されるのは、赤の他人だ。私には関係がない。そいつの運が悪かった。
そうやって逃げるのが人間の性(さが)か。
【追記】
西宮市民は、西宮市長や西宮市議会の無能をよく知っているので期待していないという声を頂きました。
おっしゃる通りです。
県知事「ごっこ遊び」しか興味がない連中。
問い合わせフォームでたまに聞かれますが、兵庫県民は冷めた目で見てますよ。
政治に目一杯期待している方がおられますか。たかが県知事、地方議会です。誰がなっても同じです。