日本社会「精神障害者は既存の社会システムに溶け込めよなww」

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今回は、最近読んだ本の感想から。

私の本の買い方は、ブックオフの百円コーナーの文庫本を「棚ごと」買います。

活字離れが叫ばれる今日ですが、読書は知的生活の基本。低年収でも本は読みたい。

自分で取捨選択すると、どうしても好きな本しか読まない。偏ります。

「棚ごと」買う。ゼッタイ手に取らないなと思う本。つまらなそうな本。そんな本もカゴに入ります。

どうせ百円。読んでみる。意外に面白い。そんなことしてる暇があるならハタラケよ。

そういうご批判をさておき、

積ん読(つんどく)数十冊の本から手に取ったのが、『反社会学講座』。著者はパオロ・マッツリアーノ。ふざけた偽名です。

父は九州男児、母は陽気な花売り娘。イタリア生まれらしい。大学講師をしつつ、立ち食いソバのバイトをやっている。おちゃらけがひどい。

でも、本書は抜群に面白かったので紹介します。

他の記事でUPした、孤独死対策に「高齢者の持家を下宿先」にするアイディアも本書から。

ご興味がある方はぜひこちらの記事も。昨今の物騒な事件も”社会からの孤立”こそ本質にあります。ただバカの一つ覚えみたいに厳罰を振り回す世相に一撃!そんな記事です。

『反社会学講座』。2007年初版なので、若干古さはあります。ですが、いまでいう親ガチャやSNSの暴力などの指摘も。

著者の時代を先取りした識見の鋭さに舌を巻きます。文章を引用します。

母親から、かわいい顔と大きなおっぱいの遺伝子を相続した女の子が有利だ。こういった「見えない相続」でたくさんの不公平が生まれている。

今でいう親ガチャですね(笑)。体が丈夫かどうかも遺伝的才能。虚弱体質に生まれた人は不公平とも。ほんとにそう思います。

フランスでは日雇い労働でも社会保障・労働保険加入は必須。社会保障に入らないのは「闇労働」。そんなのは考えられないと、日本の労働環境を一蹴。

非正規雇用、タイミーの隙き間バイト。諸外国では闇労働なんです。先進国と言えるのか、日本は。

障害者との接し方も、日本のやりかたはダメだと叩き斬る。

(米国は)世の中に障害者が居るのだという事実を受け止めて、それに合わせて社会システムを調整しようという発想。ところが日本は、障害者が既存の社会システムに溶け込むよう「頑張って」くれることを期待するだけ

その通りです。特に精神障害者はヒトとして扱われていない。

日本社会「こいつらは弱い連中や(笑)。怠けるのもええかげんにせえよ。この犯罪者予備軍どもが!」

精神障害者「障害やとばれたらアカン。隠して生きていかないとアカン。ぶるぶる。」

これが現状です。就労支援事業とか、障害者雇用とか。行政のお手盛り。貧困ビジネスの巣窟。

精神障害者の方、中高年ひきこもり(社会的難民)の方が安心して暮らせる労働環境があるのか。今の日本に。健常者に「合わせる」ことしか求められていないよう気がします。

精神障害者はネットで叩かれておもちゃにもされる。著者はその点も予想しており、

なんかネットって、他人の過去のあやまちを永久に許してやらない、忘れてやらない、みたいな不寛容な面があって、私はそこが嫌いです。

現代のSNSの誹謗中傷。少しでも間違ったことを言えば、「お前はデマを言ったんや!謝れ!謝れ!」と騒ぐ連中。私もこういう連中が嫌いです。

デマはデマゴーグ。大衆を扇動する謀略宣伝。プロパガンダに近い。南京「大虐殺」や関東大震災の朝鮮人「虐殺」のような、日本人悪玉論を振りかざし、国民精神を失わせしめ、日本解体を目指す。

そういうのがデマゴーグです。たかだか「ヨドバシ〇〇でポケカが夕方から売られるみたいです」ぐらいで、デマデマといちいち騒ぐな!

デマとは悪意を持った政治宣伝。刺激的な嘘。後日に「間違いでした。申し訳ないです」と謝罪するのはデマじゃない。人間はだれでも間違いがあります。

リベンジポルノも指摘している部分があり、この人かなりすごいですよ。

業績好調なうちに(人員削減するのは)経営者が自分の給料を取れるだけ取っておこうという作戦です。

戦後、日本人は「私」ばかりを主張して「公」の精神を忘れたといわれますが、なるほどまさしくその通りです。

いたるところに至言が出てきます。文章が恐ろしくキレすぎています。キレッキレ。ぜひご一読をオススメします。

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以下、”あとがき”です。

昨年、就労継続支援A型事業所の閉鎖が目立ちました。

行政が「生産活動」に関してスコアを高くしたことも理由でしょう。詳しくはこちらの記事に。

ですが、実際はもっと闇が深かったようです。

なんとたったオープン半年で閉鎖した事業所もあったとか。そして、すぐにB型事業所へ変更。本来であれば、会社都合による解雇となるはずですが。

ちょっと記事を引用します。

A型を閉鎖したら、利用者は「会社都合による解雇」になるはずだが、会社側は「解雇通告でも退職勧奨でもなく『案内』だ」と説明。B型事業所を利用する同意書にサインを迫るばかりで、他の事業所への再就職支援はなかったという。

47NEWS,”障害者の働く場がオープン半年で「閉鎖します」。400人が解雇や退職、運営は同じ会社のグループだった”

結局、利用者の男性は泣き寝入り。同記事では、他にも賃金の未払い。求人票とは全く別の仕事をさせる。行政に訴えたら「営業妨害」だと自宅待機を命じられる。

もちろんその分の休業手当は支払われず。もうめちゃくちゃです。

同僚との連絡先交換の禁止も、基本的人権の侵害ではないかと言及。

たしかにその通りです。もう当たり前すぎてました。よく考えれば、おかしい!

外国人の女性技能実習生に対する「妊娠禁止命令」および「発覚した際はクビにする」と似ています。

精神障害者の方が安心して暮らせる社会。労働環境づくり。当団体も積極的に社会に提案し、実現を目指したいと思います。

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