西宮市の障害児童の通所サービス。児童発達支援、放課後等デイサービス事業所で不正受給が発覚しました。
放課後等デイサービス事業所は、自治体がサービス料金を負担しており、利用者は1割負担です。
障害を持ったお子さんの放課後の居場所作り。
そのような公的な事業所での不正受給。残念でなりません。
事業所、利用者共に増え続けており、行政の監督が追い付いていない現状があります。
事業所数は、平成27年で約7千件、令和元年で約1万4千件、直近の令和4年で約1万9千件です。令和4年は前年に比べ約2000事業所増え、11.7%の増加。
毎年増え続けている放課後等デイサービス事業所。障害児通所支援等事業所は児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業などもありますが、
一番利用者が多いのが放課後等デイサービス事業所です。令和4年9月の利用者は497875人。常勤で働く従業員も10万人を超えております。
※上記のデータは厚労省の2 障害福祉サービス等事業所・障害児通所支援等事業所の状況を参照しました。
利用者増のグラフを見つけたので、こちらに貼っておきます。

※上記の出典は、厚労省の児童発達支援・放課後等デイサービス の現状等についてになります。
ともかく、事業所数も利用者も右肩上がり。子どもの数が減少しているにもかかわらず、これだけマーケットが拡大している。
これまで行政の網の目からこぼれ落ちていた障害児童の多さを反映している。評価すべきかどうか、判断が迷います。
一方で、役所のマンパワーに大きな変化はありません。不正受給が後を絶たない理由はここにあるでしょう。
報酬はスコア方式であり、専門職員を配置することで加算がもらえます。
基準人員以上に、さらに理学療法士・保育士・児童指導員などを配置すればスコアアップ。報酬アップとういことです。
※児童指導員は、4年制大学で心理学や社会学、教育学を専修する学科、これらに相当する課程を修めて卒業した方は実務経験なしでもらえる資格。「自分にも資格があるんだ」と思う人は多いかも。教員免許保有者も実務経験なしで資格もらえます。
今回のニュースでは、やはり加算がもらえる人員配置で虚偽申告していたようです。
市法人指導課によると、匿名の通報を受けて昨年6月から監査を実施。3事業所は2022年4月~24年5月、常勤の児童指導員や児童発達支援管理責任者の人員配置基準を満たしているように出勤簿を偽装して障害児通所給付費を不正に請求し、受け取ったという。
5800万円ですよ?どれだけガバガバなんでしょうか。
もう一つ気になったのは、「匿名の通報」という点です。まあ内部告発でしょうね。人員配置のごまかし等は内部職員しかわかりえないことだからです。
このように内部告発・内部通報は不正をただす手段として非常に大切なものです。
兵庫県の斎藤知事は「カッとなって頭に来て」「犯人を捜せ」「俺に逆らいやがって」「懲らしめてやる」の1点張りでしたが、
内部通報・公益通報の価値は決して損なわれてはならないものです。内部通報者に報奨金を出すなど、メリットを与えていかないと。
現時点では、内部通報などデメリットしかありません。兵庫県の斎藤知事も「権力者であればいくらでももみ消せるんだよ」と証明してくれましたしね。
放課後等デイサービス事業所は不正が多い。情けないことに、倒産理由「不正受給がばれた」が多い。
倒産した企業のうち29事業所で倒産理由が明らかになり、利用者の低迷によるものが34.5%と最多でした。次いで、水増し請求や不適切な人員配置に起因した施設内での怪我やトラブルを理由に行政処分を受けた「法令違反」によるものが31.0%を占め、ずさんな経営体制が明るみになっています。
数ある障害福祉サービスのなかでも、放課後等デイサービス事業所は儲けやすい。国からお金をもらえるから、とりっぱぐれもありませんしね。
3年に一度の報酬改定。去年報酬改定されたばかりなので、次回は2027年ですか。悪質事業所を狙い撃ちにした報酬改定への変更を考えてもらいたいです。