界隈の方から最低賃金1500円の期待の声をよく聞きます。
うちの団体では政治や宗教の話はタブーですが、行政に対する市民サービスの要望と言うのはビッグテーマです。どしどし意見交換をし、行政に提案していきたいと考えております。
たとえば、身体障碍者に偏重した行政サービスを、精神障害者に転用すべきとか。パワハラ、モラハラ対策をすることで労働環境を向上していくべきとか。
特に、会社で同僚から社内いじめを受けた、上司からパワハラを受けたことで精神疾患に罹り、働けなくなったという方は多い。
そういう意味で社会労働環境をよくしていく政策提案はOKです。選挙で~党に入れようという話がタブーなんです。
行政に〇〇のようなサービスがあればいいよね、という話は別に構わないと思っています。
話を戻しますが、衆院選で話題になっているのが、やはり最低賃金1500円。経済界は絶対反対するだろうなと思っていましたが、賛成する方もいました。経済同友会の代表幹事・新浪剛史氏(サントリー最高経営責任者)です。
新浪氏の主張をまとめると、
賃上げできないゾンビ企業は社会から退出すべき。そして、賃上げできる企業の元に人を集める「合従連衡」をするべきだとも。最賃が1500円以上になれば、人々の生活水準もよくなる。
私もその通りだと思います。最賃1500円になれば、6時間労働でも9000円の日当になります。現在の最低賃金の加重平均は1055円ですが、あくまでも加重平均。
加重平均とは、東京や大阪では人口が多いので、その分を割り増しして金額を計算するというもの。実際、1055円を超えている都道府県は10もありません。兵庫ですら1052円ですよ?
平均を超える賃金は、東京含めた関東圏、大阪、愛知、これだけです。ほとんどの県が十の位を四捨五入して1000円です。つまり、8時間労働で8000円。
建築、警備などの業界では移動時間が労働時間になりません。例えば、8時から17時までの8時間労働でも、朝4時に会社前に集合ですよ?17時終了でも、会社に帰るのにまた数時間。拘束時間は朝4時から夜の20時まで。
16時間も拘束されて、日当が8000円。時給500円です。また警備業界では、実質的に休憩がありません。すべて待機時間です。いざとなれば、「休憩時間」でも現場に飛び出していかなくてはなりません。
法律でも、休憩時間とは「完全に業務から離れた時間」と定義されております。つまり、休憩時間を与えていない違法労働をさせられているのです。
もちろん立場の弱い労働者は、黙って従うしかないのです。労基に駆け込んで戦う時間的、金銭的余裕がありません。
ですから、最低賃金1500円はこういうブラック業界に一石を投じるという意味でも画期的な効果を上げるでしょう。
「移動時間も労働時間に含めます」「待機時間も労働時間に含めます」という細々した労働法改正をするのではなく、最低賃金を1500円、2000円に上げる方が確実で、しかも迅速です。
労働者からピンハネをして搾り取るような業界に自制や企業内改善を求めて解決するようなやり方ではうまくいきません。利潤を求め続ける企業に、なしてそのような倫理観で対抗できるんでしょうか。
最低賃金を1500円、2000円にします。これしかありません。売上が上がっても、社員の給料を自動的に上げるルールなど存在しません。内部留保が積み上がり、役員連中の退職金が積みあがるだけです。
パワハラ、モラハラ、セクハラ、長時間労働など、労働問題は山ほどありますが、最賃を上げることがブラック企業に対して一番効き目がある処方箋です。
界隈の方が多く働く就労継続支援A型事業所でも、肌感覚で9割が最低賃金。1日6時間労働で、週3~4くらいでしょうか。1000×6×14=84000円。令和4年度で月額83551円なので、だいたい計算式は合っていると思います。
もし1500円となれば、1.5倍。つまり、84000×1.5=126000円となります。もし厚生年金2級を貰っていると、月6~7万円が支給されるので18~19万円。
都会はともかく、地方であれば一人暮らしがぎりぎり可能な範囲ではないでしょうか。もちろん、節約しなくてはいけませんが、
アパート代、ネットやスマホ代という生活インフラ、食料品や日用品などに割いたとしても、最低限の衣服代や娯楽費(趣味)は残るでしょう。将来の貯蓄も少しできるかもしれません。
ぜひとも最低賃金1500円は画餅に終わらせないでほしいと思います。精神障害者の方にとって、1日8時間、週40時間の労働時間はきついんです。
1日6時間で週3~4がぎりぎり働けるレベルだと思います。
生活に余裕が出てきてこそ、精神にも余裕が生まれ、仕事探しや副業、ボランティア活動等の生産的な活動にも1歩踏み出せると思うんです。ぜひ期待したいところです。