VC転売ヤーはなぜ生まれる??彼らは技能実習制度の失踪者か??

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©N係長

人気カードゲームやガンプラの発売日。ヨドバシ梅田などでは開店前から大行列。

純粋に欲しい方よりも、転売目的で購入される方がほとんどだと思います。

それだけ日本人が貧しくなった(社会構造的要因)、フリマアプリなどで品物を気軽に販売しやすくなった(プラットフォームの改善)など、いくつも理由があると思います。

私も以前カードゲームにはまり、ヨドバシ梅田に朝9時に並びに行ったことがあります。

営業時間が朝9時半からなので、「まあこんなもんかな」と思いきや。甘過ぎました!

始発の電車に乗り、朝4時から並んでいる人たちも。9時時点で300人以上並んでましたね。

人気商品の同時販売で、「〇〇は売り切れましたぁ!□□は今から整理券配りまぁす!」との店員さんの声。

〇〇目当ての方が一気に抜けて、□□目的の私は運よく整理券を入手。

それでも100人以上。後ろにはどんどん列ができてくる。会計まで1時間以上並ぶことに。その1時間で転売外国人グループと遭遇することになりました。

転売外国人グループの組織的行動とは

ともかく外国人の方が多いんですよ。列の並びに。みなさんスマホでTELをし、お友達を呼んでいるみたい。遅れてやってきたお友達が列に割り込んでいく。「えっ、整理券もないのに。なんで??」

私の前後数十人はほぼ外国人で、この1時間で8割ほどが入れ替わる。列から抜け出して、前後に割り込んできたお仲間外国人に「なにか」を渡しにいく。いったいどういうことか??

たぶんこういうことでしょう。

①転売対象となる人気商品は、お店ごとに一斉販売。転売外国人グループはいろんなお店で待機。ゲリラ販売もあるので、必ずどこかのお店に並ぶ。そして、”並び直して複数枚の整理券”をゲット。

②電話でお仲間を呼び出し、整理券を渡し、数十単位でブツを入手する。

③フリマアプリでさばくか、元締めにまとめて商品を渡す。

よく観察すると、同一人物が4~5枚以上の整理券を持っているんですね。渡している「なにか」は整理券でした。日本人は行列の最後の方にちらほら。

転売外国人グループが列に割り込んでくるので、日本人は列後方に沈むことになるんですよ(笑)

技能実習制度が転売外国人グループを産む

私が並んだ際は、国籍まではわかりませんでしたが、列に割り込んでくる外国人は数多く存在し、6~7割以上は外国人。きわめて異常な光景。

近年では日本で働く外国人労働者が200万人を超え、悪名高い技能実習制度で働く方も40万人を超えています。

私は、この技能実習から逃げてきた不法滞在の元技能実習生が外国人転売グループを形成していると考えています。

Xのポストでも”VC転売ヤー”という言葉があり、このVはベトナムの頭文字。技能実習生で特に人数が多いのはベトナム人。比例して、技能実習から逃げて失踪者となる外国人もベトナム人がトップです。

令和4年の技能実習生の失踪者は9006人。うち、ベトナム人は6016人です。(法務省の技能実習生の失踪者数の推移を参照)

技能実習制度は、技術の国際移転を名目としながらも、実態は低賃金で長時間の単純労働。日本人が働きに来ないような過酷な労働現場。単なる「穴埋め」です。安い労働力を得る手段でしかない。

監理団体という組織が仲介し、現地の悪質な送り出し業者と癒着し、キックバックという違法な金をもらいつつ、外国人労働者を日本の零細企業に送り込む。

労災隠し、セクハラ、過酷ないじめ、旅券や在留カードを取り上げ逃げられないようにする。監禁も。タイムカードや勤務記録を改ざんし、実質賃金は数百円。こんなケースも多い。

実習先(=雇用される企業)は労働者本人の自由意思で選べない。彼らは労働者の中でも本当に立場が弱い。

実習生を保護・監督する監理団体は、技能実習法上では「営利を目的としない法人」。ですが、ビジネスモデルでは人材派遣業者と変わりません。実習先の企業から「監理費」名目で月数万円/人をもらう。

ですので、企業ファースト。監理団体は、実習生の基本的人権を守る義務がありますが、企業からお金を貰っているんです。企業がお客様なんです。外国人労働者の人権に興味はありません。

技能実習法第46条には、監理団体の禁止行為として”暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、技能実習生の意思に反して技能実習を強制してはならない”とあります。

このような条文を作らねばならないほど、技能実習生の労働環境は過酷。

一応、政府は外国人技能実習機構を作って、母国語相談を設けており、実習先変更支援も行っています。

ですが、実習先変更は、技能実習2号(実習2~3年目)から3号(実習4~5年目)へ移行する際の支援が中心のようです。

特に技能実習3号は企業、監理団体ともに優良認定を受けていないとダメなので、ここで実習先の企業を変更しなくてはならない場合も。

実習生を保護することを第一にしているわけではまったくない。

一方、技能実習法第51条は、実習先の企業が廃業する場合、技能実習生が労働を継続できるように、他の実習先を確保できるように対応義務があります。

すなわち、実習継続が困難な場合とは、実習先企業の廃業、倒産を想定しているんですね。

技能実習生がいじめ、セクハラを受けて逃げ出したい場合を想定しているわけではない。

あくまでも、技能実習制度は、低賃金で乱暴に労働者をこき使いたい日本の零細企業を第一とした制度なんですよ。

実習させてやってるんだよ。そんなんで嫌になるやつは帰国しろ!これが本音!

技能実習生が失踪者となって逃げだすのは当たり前だと思います。不法滞在者となった彼らが闇バイトに手を染める。その闇バイトのライトな形として、転売業を始める。

実際、家電量販店でベトナム人らが列に割り込んでくる実態を見て、嫌な気分になったのは確かです。

しかし、彼らの実情を考えればしかたないとも思いました。

まとめ

もちろん、整理券の渡し合い、列への割り込みはダメな行為です。日本人、外国人を問わず、このような迷惑行為は正当化されません。

しかし、彼らVC転売グループは、技能実習制度という欠陥制度が生んだ一つの現象ではないかと思えてなりません。

建前として、実習生を守る外国人技能実習機構もあるのですが。政府のお手盛り感がぬぐえず、そもそも技能実習制度自体が日本の零細企業に対する「支援事業」なんです。

安くこき使える、はいはいとなんでも言うことを聞く労働奴隷が欲しい!こういう日本の零細企業のニーズに日本政府が応じたのです。

技能実習生が悪質な労働現場から逃げ出したくても、その実習先の企業が倒産でもしない限り、別の実習先に移ることはほとんど不可能。

私が彼らなら逃げ出しますよ。ですが、ベトナムのケースでは、ほとんどの場合、母国で100万円以上の前借金を抱えて日本にやってくる。実家の土地を質に入れている。家族が路頭に迷う。

何としてでもお金を稼いで帰国しなくてはいけない。だから闇バイトに手を染める。そのライトな形が転売という稼ぎ方。自然な成り行きです。

もちろん不法滞在は違法ですし、即刻帰国しなくてはいけません。が、そんな建前を言ったところで問題は解決しません。

彼らのせいで、私が欲しかったカードゲームの商品が買えなかったケースは何度もあります。

しかし、彼らの置かれている状況は、Refugeesで相談を受けている社会的難民の方々と似ているなという印象も受けています。

※Refugeesでは元技能実習生、外国人労働者の方々のお困りごとに関してもご相談等を受け付けております。また活動実績などでご紹介する機会があれば、逐次発信していくつもりです。

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